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 2018年10月6日から14日にかけ、フランスの美術家ジョルジョ・ルース氏の金箔の作品をサポートするため、小豆島の現場に合宿した。合宿メンバーはプロジェクトリーダーの石井純氏、記録映像制作の映像作家岸本康氏、それに前回の名和氏の作品サポートでルーブルへも行ってもらった京都箔押会所属の清水ひろみ氏が今回もチームに加わり、そして当工房メンバー松山淳君と瓦忠こと山本悟史君、それに私の計6名だ。
 大人6人が一つのプロジェクトのため現場に寝泊まりをするなど、まるで学生時代に戻ったようでファンタスティックでロマンティックで非常に興味深いものがあった。夜遅くまで石井氏差し入れの焼酎を飲み、語り合い、夜中のいびきと歯ぎしりと寝言が…人のことは全く言えないが…今では本当に懐かしい夢のような出来事だった。
 朝になるとその日の打ち合わせのため、ホテル住まいのルースご夫妻やボランティアリーダーの美術家栩山孝氏、設計担当のドットアーキテクツの宮地敬子氏、そしてボランティアの皆さんが現場であるサイトAに集合する。こうした施工形態はかつて経験したことがなかった。


 今回の施工は難易度が高い。私が理解したルースのコンセプトは、固定した単眼視点のパースペクティブであり、あるいはそこから生まれるトロンプルイユを現実空間に構築することにある。これは当ブログで批判の対象にするモダニズムのコンテクストをベースにしたものと思われるが、プロフェッショナルとして、お仕事はお仕事として、その線に沿い、気に入ってもらうことが肝要だ。
 つまり、固定されたカメラのファインダーに浮かび上がる金色の真円を、現実空間に金箔で覆うという仕事だ。難易度が高いというのは、金箔で覆われる真円の範囲にある素材は多様であり、そこには畳があり、襖があり、ガラスがあり、土壁があり、柱や欄間などの木材がある。金箔はその置かれる素材によって著しく表情を変える。従って浮かび上がる金色の真円を際立たせるには、箔の表情、輝度や彩度を一様にする必要がある。

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 我々は施工するにあたり、畳、襖、障子、ガラス戸など全て取り外して行った。従って、完成し、それらを元に戻すまでその全容が分からなかった。
 ルース氏の最終チェックの際、予定より早く来られたため、彼の目前で畳や襖を元に戻さざるを得なかった。その全容を我々と共に初めて見たルース氏は、少し時間をおいた後、「グッジョブ!」と握手を求められた。私がそれに応じると、周りにいたスタッフや大勢のボランティアの皆さんから拍手が沸き起こった。

このプロジェクトにクラウドファンディングが設定されています。ご協力よろしくお願いします。