松と波


 今回創る障壁画は最も大きく、幅292cm×縦264cmの当工房の漆喰の壁面だ。白壁に直に金箔を施し、松と波(「PINUS & STREAM」)の絵を描こうと思う。

松と波0

 上が施工前の壁で、漆喰にジェッソが施してある。

松と波1

 エスキースを描く。この絵のキモは何と言ってもバックの金箔と松葉の色彩と形状のハーモニーだ。
 花札の松の図像におけるポップ性と魅力から先端に冬芽を抱く枝を一つのユニットととしてそれらを構成することにより、松を表す。
 こうした松の捉え方は絵として一般的に特殊だ。例えば狩野派の絵では先端に冬芽を抱く枝の集合体を最小単位として描かれる。

松と波2
「松鷹図」狩野探幽 二条城松の間

 しかし、花札の松の図像は先端に冬芽を抱く枝を一つのユニットとして描かれている。それはポップでとても魅力的で、そして確かに松を指し示している。

松と波3


松と波4



松と波6


 バックにあたる金箔を貼るため、バインダーを刷毛塗する。

松と波7


 刷毛塗りしてしばらく放置すると箔を貼るのに適した粘着が生じる。これを我々は「かげんが来た」といい、ヨーロッパでは「歌う」という。とてもエレガントな表現だ。
 箔箸を使いグリッドに貼っていく。箔箸のないヨーロッパでは基本的に箔をグリッドには貼れなかったが、現在では…日本美術の影響だろうが…グリッドに貼る。その時用いられるのが箔と箔紙がシール状にくっついた所謂「あかうつし箔」を使い、箔紙の両端を手でつかみ貼っていく。これはどう見てもエレガントではない。

松と波8


 全面を貼り終えると真綿で押さえ、真綿あるいは刷毛で余分な金箔を払っていく。

松と波9


 絵の部分を木炭で下描きする。

松と波10

松と波11


 着彩する。使用マテリアル、ターナーアクリルガッシュ「和」
 施工時間 約5日。

松と波


fish house1
fish house2


松山淳と山口香菜の二人展 宜しくお願いします。












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